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Hiker's Smock

Neo Shell Smock
Neo Shellを使ったレインウエアを作りました。
Hiker\'s Smock_f0251840_16153822.jpg




 NeoShell?
ネオシェル?
今ネオシェル?

そう思われた方も多いと思います。
あくまで僕個人の見解ですが
長い間レインウエア界の頂点にいたのがGORETEX
そこにe-Ventが登場し
透湿性に驚かされ
さらにはPERTEXの登場で
軽量化の時代へ?
そんな流れ?

その流れの中で
ある時期からレインシェルの頂点の様な存在に
君臨したのがネオシェルな気がします

数多くのブランドがネオシェルを採用し
特にTetonBrosのツルギジャケットが
その火付け役となり、
それを使った皆さんはその性能に
驚いたのではないでしょうか?

POLARTEC社が開発した素材
それがNeo Shell
スペックはもとよりネオシェルの何がすごいのか?

通気度や耐水性
数値だけ見るとそれを上回るものもたくさんあります
それなのにネオシェルが何故アウトドア界で
これほど人気になったのか?

それは圧倒的な生地のしなやかさと
通気性なのだと思うのです。
透湿性の数値が2倍になっても快適さは2倍にはならない
その辺の匙加減がすごい
ソフトシェルとハードシェルの性能を合わせ持った生地
*数値として詳しい内容を知りたい方はググってみてください

それが何故に昨シーズンを境に見なくなったのか?

生地の需要がなくなったから?
もっと良い生地が現れたから?
いえいえ
それは世間がエコにシフトした
結果でもあるのだと思うのです。

レインシェルに使用される撥水剤や皮膜の
ほとんどが環境に有害な物質を含むそうで
POLARTEC社としての環境問題への取り組みとして
Neo Shell自体をやめてしまうと言う
決断に至ったそうです。

まぁポーラテックの中で
ネオシェル自体が異質な存在なので
それを廃盤にしたところで何も
問題にならないのでしょう。

廃盤にすると言う決定が
どの様に既存のメーカーへ
通達されたのかはわかりませんが。
継続できないのであれば
注文をキャンセルするメーカーが出るのも当然

そうして行き所を失ったネオシェルが
エコロジーとは裏腹に
廃棄される可能性が出て来たのです。

「残ったネオシェルで何か作りませんか?」

長くなりましたが
そんな提案を受けたのが今回のきっかけなのです。

もしかしたら他にも大人の事情があるのかもしれませんが
ブランドイメージもあるので
変な会社へ売り飛ばすわけにも
行かないのでしょう。
だってポーラテックの素材を使うにはブランド登録という
審査があるくらいですし。

僕個人としてはエコと言う都合の良い言葉で
ものづくりをするのは何か違和感を覚えてしまうけど
余ったものを使うことで何かに貢献できて
自分達にも利益が出る

そういうことなら
やってみる価値はあると思えたのです。

だからNeoShellを使ったアイテムは
今回限り
もしかしたら世に出るネオシェルを使った
アイテムの中でもこれが最後になるのかもw

前置きが長くなりましたが
そんな経緯を経て
僕らがネオシェルを使うことになりました。

ではここからは
デザインの話をしたいと思います。

僕らの商品展開の中にすでにあるレインウエアが
Rain Parka

これは素材、デザインというより
用途に重きを置いて作りました
もちろん素材あってのデザインですが
既存のレインには無い
新しいものを目指して作ったのです。
もちろん同じ型にしてもよかったのですが

それでは何だか芸がない
そもそも
パーテックスとネオシェルではスペックも方向性も違う
だからこそ新しい考え方で今までとは違う
レインウエアを作りたくなったのです
新しいものへ挑戦したい!!

そこで僕にとってのレインウエアとは何なのか?
一から考え直してみることにしました。


耐水圧?
透湿性?
重量?
使いやすさ?

ぐるぐるぐるぐるぐる
頭を巡り出た答え

結局は、、

欲しいと思えるデザインであること
何よりも着ていてかっこいいと思えること

レインウエアの核は生地の性能
その生地は生地メーカーが開発しているわけで
GORETEX、PARTEX、etc
同じ素材を使い各ブランドが
それぞれのデザインやギミックを付け足して
レインウエアを作っている

同じ性能であればやっぱり決め手は
見た目のカッコ良さだと思います

初めてGOREのレインウエアを着た時は
いつもの服とは違う
ファッションウエアとも違う

道具を身につけて強くなれた様な
変身は言い過ぎだけど
何だか少々誇らしい感じ?
これを着れば雨の中歩いたって大丈夫なんだぜ!
すごいだろ!

そんなことを思い出しました。

「かっこいい」

すごくシンプル。

皆さんはどうでしょうか?

レインウエアですから
雨を防げればいい?

湿気を外に出すのが大事?

御守りとして持って行くことが多い方なら
とにかく軽い方がいい?

僕が使った歴代のレインシェルの中で
最も長く愛用したレインウエアは
 MONTANEのSPEKTR SMOCK


これはe-vetを使用し当時としては
透湿性、耐水性、軽量性
どれも優れていましたが
人気になった理由はその特徴的な
デザインだったと思うのです

人気と書きましたが
UL思考のニッチなところでの局地的人気だっただけで
すぐに廃盤になっていましたww

理由は多分
ベルクロでの開閉やら
生地の角が当たって首、顎が痛いやら
コンプレッションがないやら
軽量化を優先して
かなり尖ったアイテムだったからなのだと思います。

廃盤になる様な
至る所が使いにくかったはずなのに
僕はそのそもっくが気に入っていたのです。

その証拠と言いますか
何でもすぐに捨ててしまう僕が
シームが劣化して剥がれボロボロとカスが出て
着れなくなっても捨てずに持っていたほど。

なんと言えばいいのか、
余計なものを削ぎ落としたかっこよさ?
他を寄せ付けない独創性?
そんなことが許されるのはこのジャケットが
ただのジャケットではなく道具であるからこそ
そこに強く惹かれたのです。

あ!
これだ!!

僕が着たいのはこのデザインなんだ!

過去を振り返り出した結論

カッコ良いものを作りたい、、

一見安易な考え方に聞こえそうですが、
でもそれで良いのかも

世の中にはすでに色々なレインウエアがある
どれも機能やスペックは素晴らしい

いつも僕らが優先させるのは
デザインではなく機能や使い易さ
でもレインと言う素材ありきのカテゴリーであれば

デザインを優先させてみるも面白い
ハイカーズパンツを作る経緯とは少し違うけど
僕が大好きだったスペクタースモックへのオマージュ
令和版スペクタースモック?

とはいえ
使い倒した僕だから感じることが出来た欠点がある
そこを改善して
より良いものを作ってみせる!!

真似ではない尊敬の念を込めて作る!!

デザインの肝は間違いなく
コードを引っ掛ける仕組み

この手法について僕なりに色々と考えてみたのですが
きっとアイデアの元は
ダッフルコートのような仕組みだったと思うのです
あれは水平や船乗りが手袋をしたままでも
脱ぎ着が出来るよう工夫されたもの
僕が高校生の時に着ていたレインは同じようなシステムで
金属のフックで止める仕様
それはイングランドの漁師が使うレインだったかな?
止めやすさはもちろんのこと
壊れないことが重要な場所での道具としての機能

僕らはこのフックの補完として
ファスナーをつけることにしました。

ここまでの考えに至ることは難しくなかったのですが
パーツ探しがね、、

今回のsmockの要であるフックパーツ
いざ、このパーツを探してみたらこれが中々大変、、
これの主たる用途は
登山靴に使う靴紐を止める
最後のフックのパーツだと思うのです

そんなのすぐに見つかると思っていたのですが、
既存の工場では見当も付かないらしく
日本のパーツ屋もだめ、、
普段は接点がない
シューズ関連の資材やさんにも聞きました、、

色々と調べたのですが日本では取り扱いが見つからず
海外製のものを何とか見つけ出すことができたのです
(最悪オリジナルで作ろうかと思っていました)
このフックをザックやサコッシュなどへ
使っても面白いかなぁ〜
Hiker\'s Smock_f0251840_09430463.jpg

探すことはできたけど
これを服につけてもらうのも大変な作業

服用の針で縫えるのか?
自分たちでも試しに縫製し、
問題なく出来ることを確認してから工場へ依頼
Hiker\'s Smock_f0251840_10480817.jpg
Hiker\'s Smock_f0251840_10480459.jpg

やっぱり自分たちで検証することで相手を説得できる?
パーツだけ渡して、出来るでしょ?
そんなスーパーデザイナーにはなりたくないww
(それはそれで悪くないかもw)

工場側もこのパーツを使ったことがないので半信半疑?

とりあえずサンプルを作ってみる事にしたのです。
一度や二度では上手くいかなかったけど

僕らが生産をお願いしているSCTの担当者も
嫌な顔せず根気強く修正してくれたのが
製品化できた最大の理由かな

こんなの正直面倒だし、使ったことのないパーツは
不良の原因にもなりかねない

工場に断られました!
そう言われてしまったら
僕らはどうすることもできない、、

そんな面倒なお願いを何とか形にしてくれる関係

利益だけで動く関係ではない関係

僕が勝手にそう思っているだけかもしれないけど

そんなものづくりが出来る関係になれたことが
嬉しいのです。

肝心のフックは何とかクリアー!

開閉は止水ファスナーでも出来る様にしたことで
脱ぎ着をしやすく。

ファスナーをつけたことで
フックは飾りの様に感じてしまうけど
ファスナーを開けたままでフックを止めれば
ベンチレーションとしての機能を果たします
Hiker\'s Smock_f0251840_09425605.jpg
ビスロンの止水ファスナーを使用

痩せ型の方などは中に少し厚めのものを着ていないと
フックが外れやすいのですが
止水ファスナーで雨の侵入を防ぐので機能としての役割は
フックが外れてしまっていても問題ありません。

カンガルーポケットは
ポケットとしての機能はもちろんですが
裏地をメッシュにすることで
ベンチレーションとしての機能も持たせています。
Hiker\'s Smock_f0251840_10511316.jpg
フードはwool jaketと同様にコードを引いて掛ける方式
Hiker\'s Smock_f0251840_11355221.jpg
Hiker\'s Smock_f0251840_11344530.jpg

オマージュですから
スペクタースモック同様に極力余計なものは省き
裾はゴム、袖もゴム
だけど、僕が使って感じたストレスを減らすため
裾がずり上がり難い様に滑り止め付きのゴム
Hiker\'s Smock_f0251840_09424535.jpg
袖にはサムホールをつけました。
ロゴは地フレクターになってます
Hiker\'s Smock_f0251840_09403372.jpg
もちろん軽さを優先させればポケットはない方がいいのですが
雨の時でも携帯をいじったり、
行動食を食べたりしますよね?
だから何かと便利なポケットをつけました。

サイズ表記は手書き風に全てのサイズが異なる○になってます
Hiker\'s Smock_f0251840_09420408.jpg

デザイン性は高めましたが
使い易さなど、出来るだけ基本に忠実に作りました
そして何より
ネオシェルという素材!
生地自体はとてもしっかりしているのに
こんなにも蒸れを感じない

これはやっぱり素晴らしい!!
各ブランドがこぞって使ったことがよくわかる


出来上がってきて思うのは継続できないことへの残念さ

そんなふうに思えることができる
シェルジャケットが出来ました。

最後に
これは道具ですから、
誰かの基準があなたの基準にはならないと思います
完璧なものはないし、
失敗して学ぶのが道具選びだと思うので
あまり用途について詳しく言及したくはないのですが
僕の感覚では夏以外であれば快適に使えると思います
レイヤーによって感覚も変わってくると思いますが
例えば雪山をのんびり歩きたいなら
暖かく通気性もあるアルファジャケットに
ウールシャツなどを合わせる

運動量が多いハイキングであれは
アルファフーディーにスモックを合わせる
春や秋の様に行動中
ヒートアップしやすい時も良いと思います
雪はもちろんのこと気温が低い時の
雨にも役立ってくれると思います

夏には夏の道具
冬には冬の道具
自分が寒がりなのか、暑がりなのか
攻めたいのか安心を求めたいのか

ちなみに今の僕は安心、安全、のんびり派ですww



メーカーが公表している主なスペックです↓

■高い通気性〈0.5cfm(0.2cc/㎠/sec)〉
■確かな防水性〈耐水圧10,000㎜以上〉
■99.9%の防風性
■しなやかな伸縮性
■軽量性

■洗濯可能

color
BAGY CORD
DARK NAVY
AVOCAD

重量
343g(S)

サイズ
XS~XL

価格
¥35,600(税込)

色の再現が難しく
お使いのモニターによっても違って見えます。
DARK NAVYは黒にとても近いネイビー
AVOCADはもう少し緑みが濃い
 BAGYCORDも少し濃い感じ
あくまで僕の主観ですのですが写真との誤差はご了承ください



Hiker\'s Smock_f0251840_09431187.jpg
Hiker\'s Smock_f0251840_09422994.jpg



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by mountainneberland | 2022-10-13 11:36 | 商品


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