KEEN×atelierBluebottle
KEENと一緒に靴を作りました。
まさか靴を作ることになるなんて
KEEN
×
atelierBluebottle
なんで靴?何でKEEN?何でこのデザイン?
何で?何で?何で?
世の中には縁と言いますか、不思議な巡り合わせがあるのです。
始まりは3年前以上前
僕が月一で通うとある場所で
靴を作りたい話をしたのがことの始まり。
当時はレインパーカを作り
山のブランドとして一通りのアイテムを作れたこともあり
少々調子に乗っていたのかもしれません。
と言うより嬉しかったんですよね!
アウトドアブランドとしてバックパックから始めて
ソックスを作りTシャツ、パンツetc
レインウエアは他のアイテムと違い
テクニカルな要素が強いし
使う生地も大量であり価格も高い
だからある程度の企業しか作っていないと思うのです
そんなマウンテンウエアの要である
レインウエアを作れたことで
ブランドとして一人前になれた感じと言えば良いのかな?
そんなこともあり
次は何を作ろうか?
そんなマインドがあったのだと思うのです。
とは言え靴は専門分野外
なんて言いつつも実は元々靴職人になりたかったのです!キリッ
専門学校を受ける際、僕の科は靴、バッグ、帽子、アクセサリー
その4つが一緒になっており
入学後半年はその4種類全てを学び
その後の進路を選択し卒業するまでの3年間を専門的に学びます
僕は靴職人になりたくて入学
が!しかし!!
バッグの面白さに夢中になってしまったのです。
この選択の話をすると一日かかるので、、
また別の機会にww
そんなこともあり、周りに靴業界の友人がいたり
企業デザイナー時代は同じ部署にシューズブランドがあったり
シューズブランドのバッグもデザインしたなぁ
洋服よりは知っていることが多いのです。
靴は色々と特殊と言いますか
ミシンもバッグとは違うし道具も違う
機械も大掛かりな物が多く
バッグほど自由に作れるものではないので
作りたいと思っても洋服の様には行きません。
大変さを分かってるいるので生半可な気持ちで
手を出すわけにも行かず
いづれ機会があればと頭の片隅にしまいつつ
口に出さないと何事も進まないので
次は何を作るのか聞かれたら
靴を作りたいですと答える様にしていたのです!
まさに言霊
そうこうしていると
靴作りません?
KEENからお誘いをいただきました。
しかも
鍼灸院経由で!
先ほど少し勿体ぶりましたが
僕が月一で通う鍼灸院
見た目がカフェの様な佇まいで
通常の鍼灸院とは店内も全く違う
オーナーの加藤さんもファッション業界の人かと思うほど
ナイスなセンスの持ち主
もう5年くらい通っているのかな?
最近は行けてないけど、、
そこで呟いた靴作りたい!
その一言が偶然にも同じヒトハリお客さんだった
KEENの方に伝わり
今回のコラボに繋がったのです。
ヒトハリ
鍼灸が苦手な方にもおすすめです!
僕は鍼は少々苦手だから
細めの針にしてもらったり
最近は休みもなくがむしゃらにミシンを踏むことはないから
深刻な不調に陥ることはないけど
昔は首が曲がらなくなることもよくあったし
ペダルを踏み続ける脚を診て
部活動の中学生くらい張ってるなんて言われたりw
体もそうですが
普段の愚痴を聞いてもらえたり
心と身体の両方癒してもらっていたのです。
そんな不思議な縁で始まったコラボ
始めて青山のKEENのオフィスに伺った際はビクビクww
先方6名くらい?
僕らは二人、、
どこの馬か知らんがULだか何だか?
ガレージね!
うちとやりたい?
はいはい!
そんなやりとりを想像し
少し身構えていたのですが、、
フルメンバーと言えば良いのでしょうか?
MD、企画、営業 etc
偉い方も!!
僕らのことも良く知ってくれていて
みんな親切で優しいナイスガイ集団
アメリカの企業だからか?
英語が得意な方が話す独特な雰囲気?
クリスペプラー的?
そんなどうでも良いことはさておき
とても真摯に僕らの様な小さなブランドと取り組みをしてくれる
雰囲気に心を掴まれたわけなのです!
良くありがちな
上の人間は乗り気だけど現場が微妙な空気みたいなこともなく
企画の方もこちらをリスペクトし進めてくれる
初めは親切丁寧すぎて騙されているのではと思うくらいww
後々気づいたのですが
これがKENNの社風なのだと!
僕らはモノを作るために
強いては売れるもの、売上のため
そのために働くことは間違いないのだけれど
そのプロセスや理由が大事であり結果は最後についてくるもの
この人たちと一緒に仕事をすることが楽しいと思える
それがとても重要なのです。
では靴の話し
初めはオリジナルの木型で一から作りたいと
考えていたのです。
トレランシューズの様に軽く軽快な靴をね!
ただし、その思惑は出だしで挫かれました、、
日本が本社ならまだしもアメリカが本社
一から作るには超えないといけないプロセスが多すぎる
実際、過去に木型から取り組んだコラボはないらしい、、
ない!?
ないなら今回のコラボを足がかりに
その壁を越えてやるぜ!
なんて事を考えつつスタート!
恥ずかしい話し僕は山でKENNの靴を履いたことがない
サンダルは持っていたけど
サンダルが得意なブランドたとも思っていました
みなさんもそうですよね?
コラボの話しを受ける前に
本当に良い靴のブランドなのか確かめるために
原宿の直営店へ行き
店員さんにちゃんと接客してもらい
(知識も確認)
おすすめの靴を選んでもらいました。
もちろんローカット
そのころの僕はナイキのテラカイガーや
アディダスのテレックス?
イノヴェイト
その辺りを良く履いていました
軽い非防水のトレランシューズ
靴歴の話をすると長くなるのですが、、
話さないと始まらない、、
山歩きを始めた当初はAKUをよく履いていました
ソールは曲がらないし重いし硬いし蒸れるし、、
でもそれがどのブランドも普通の時代。
それからULカルチャーに魅了されトレランシューズを
履くようになったのが10数年前
それからずっとトレランシューズ
KENNのローカットシューズを購入し
試しに山を歩いてみたのですが
僕が普段履いている靴よりプロテクションがしっかりしていて
ソールのラグも深め
あえて防水のタイプを選んだのでそれなりに重い
片足500グラムくらいあったかな。
歩き初めは
う〜ん、、ソールが硬めで地面の感触が伝わりにくいな〜
重いかもな〜なんて感じでした。
やっぱり旧体制側の靴なのか?
無理やりローカットシューズに手を出した?
そんなことを思っていたのですが
考えがガラっと変わったのが下りに入ってから
まず、安定感がすごい
濡れた岩場でもグリップしてくれる。
歩きやすくても滑ると気を使い疲れますよね?
KEENは全ての素材を自社開発したものしか使わないので
ソールもビブラムではなくオリジナルのもの
なのでグリップ力を疑っていたのですが
全く問題なし!
そして何より驚いたのは
プロテクションがしっかりしているので
多少、岩にぶつけたところで全く痛くない
過去何度か爪を死なせた経験があるのですが
これなら安心です。
グリップ力、プロテクション、防水性
それでいて厚みがあるのにソールが曲がってくれるので
思った以上に疲れない
下りの後半で足が上がらなくなってくる場面でも
安心して歩ける感じ?
多少の石なら踏んでも痛くない。
長らく非防水、ノープロテクション、薄いソール
それに慣れていた自分に驚きの結果。
普段なら下山後に足が痛くなるのにそれが無い!
僕の知らない間に進化していたのです!
昔しの登山靴のイメージを払拭され
フラットな脳みそでKEENのショールームへ向かい
何足かサンプルを提供してもらい履き比べてみました
僕が知らなかっただけなのですが
プロテクションの薄いトレランシューズもあったり
色々と新しいことにチャレンジしている様です。
木型から作れないなら
正直今更僕らがトレランシューズを作る意義があるのか?
ただお飾り的な要素の表面コラボで終わってしまうのではないか?
そんな危機感を抱きつつの履き比べ
何となくおまけ程度に一緒にチョイスしたのが
ターギーⅡ
KEENの中でも定番のアイテムであり
北米では人気らしいけど日本ではあまり見かけない
その靴を試してみたところ驚きました!
カチッとしたザ登山靴の見た目とは異なり
軽く、ソールも柔くて歩きやすい
それでいてプロテクションもしっかりしており
安心感がある。
片足26cm 510g
普段より200グラム近く重いけど
その重さを感じません
何度か山を歩いて感じたことが確信に変わりました
(大袈裟だけど本当に驚いたんです)
さっきも書いたけど僕がトレランシューズだけを履いていた
10数年の間にトレッキングシューズは進化ししていた!
これは、、
他の人にも伝えたい!
トレランシューズ至上主義!
薄いソール原理主義者たちへ!!
僕のものづくりに対するアプローチの一つに
煩わしい物を排除する
つまりは「使いやすい」を大切にしています
ザックで言うならトートバッグの様に
何でもザックリ入れられるアウトポケット
すぐに止められるロールトップもそう
服で言うなら
ボタンをいちいち入れる必要のないスナップボタン
*これ最近本当増えた、、
肩を凝らないためのカメラショルダーやバケぺんストラップ
それと同じように
ターギーⅡにはそんな機能がたくさん!
疲れた下山でも気を使わずに足を前に出せるプロテクション
小さな沢を越える時に濡れを気にしない防水性
濡れたくないから小さな石を渡って、結局滑って
ポチャンなんて言うことよくありますよね?
もちろんぬかるみだって気にしない!
ぬかるみを避けるために無理やりな体制で
ルートの端を歩くのって大変ですよね?
ソールのグリップ力も頼りになる。
それに幅広の作りになっているので
締め付けられる感じがない
クッション性もあるので
下山した時の足の疲れが全然違う!
これだ!
今僕たちがやるべきことはローカットではなく
あえてのミッドカットの靴なんだ!
ULじゃないかもしれないけど
この歩きやすさを皆に伝えたい
だってミッドカットのしっかりした靴を
誰もおすすめしてないんだから!
(僕の周りUL界隈の話)
意義を見出せて俄然やる気!
KEENのみなさんも
そんな事に気づいた事に嬉しそう
ユニークの様にサンダルのイメージが先行するKEENだけど
北米ではトレッキングシューズブランドであり
日本でもそのイメージを浸透させたい
僕らの様な小さなブランドで効果は薄いかもしれないけど
登山靴を浸透させたいKEEN
ローカット原理主義なみなさんに選択肢を提供したい僕
これこそコラボをする意義があるのです!
お互いの得意を生かすのがコラボ
コラボとは本来そ言うもの!
ここまでシューズ選定に時間を費やしましたが
かたちが決まり意義も見出せた!
これは面白いものが出来そう。
少々良いことばかり書いてしまいましたが
僕が思うネガティブなところも書かせてもらいます
最近の周りのトレンドは薄いソールやベアフットで
足本来の機能を取り戻すこと!
かっこいいですね!
僕もチャレンジしてしてみました!
でも僕がする山歩き?僕の足?好みには会いませんでした。
足裏で地面の凹凸を感じること
初めは楽しかったけど
疲れてくると普通に痛い、、
ストレス、、
それを越えれば慣れる?
でも僕のペースの山歩きだと次に歩くときは元通り、、
では普段から履いていればいい?
そう思って試しましたが
夏は薄すぎるソールが熱を感じやすく灼熱のアスファルトで火傷寸前
これはルナサンダルもそう、、
冬は底冷えがすごい、、
体調悪くなりそう、、
そして1時間くらい散歩するとアスファルトでは痛い、、
軟弱な僕の足、、繊細すぎ?
でも僕には会いませんでした、、
そんなことはインスタで誰も言ってくれなかった、、
何が言いたいかと言うと
誰かの良いは
自分とっても良い物だとは限らない
特に靴はね
僕が感じたネガティブなところは
①蒸れる
真夏くらいしか感じませんが非防水のそれとは明らかに違います
②乾きにくい
これも防水だから当たり前ですね、
③締め付け感
う〜ん個人差がありそうですが慣れもある
ローカットから履き替えた当初
足首を固定まではいかないけど覆われる感じ?
慣れるまで時間がかかりました。
靴紐が上までくる分、ベストな締め具合を見つけるまで
ちょっと苦労しましたね、、
だからBOAシステムにしたかったりww
それくらいでしょうか?
それでもネガティブな部分を超えられるだけの
ポジティブな要素に溢れている靴だと僕は思います。
ここからは具体的な内容です
まずはターギーⅡの良さを活かし
僕らのテイストを加えること
具体的には素材と色の組み合わせ
既存のターギーのクラシカルな感じを継承しつつ
みなさんに受け入れてもらえるデザインにする
既存のターギーはオイルレザーのアッパー
ザ革なクラシカルな印象
レザーの登山靴はトレランシューズに比べると地味な色が多い
別に悪い意味ではないし
僕も昔は茶系の靴を履いてました。
ナチュラル=茶な感じがしますが
皆さん革本来の色って何色か知ってますか?
なめし方によりますが
ザクっと言うとベージュ系
だから茶色が革本来の色と言うわけじゃないのです。
(ちなみになめされる前の色は白っぽいです)
塩漬けにされた状態は香りも見た目も。。。
染料のベースまでは詳しくないですが
染めるには変わりない
無理やりナチュラル感を出す必要はない
ありそうでない色
それでいて色々な服に合う
この辺は僕なんかよりリナさんの方がはるかに上手
良い色はほぼリナさんチョイスww
素材はスムースではなく
スウェードを選びました。
色を入れてもスウェードにすることでトーンが落ち着くし
傷にも強いし
最近はあまり見なくなったのであえてクラシカルな素材に
色を入れることで面白さが出る?
KEENの靴に多く使われる側面から踵へつながるテープも
こちらの指定に近しいものを色々探してもらいました
このテープについてサイトで見てもあまり語られてないのですが
テープが動くことでホールド感が増す
KEEN独自の技術だそうです。
(その機能を知らずこれとったらダメですか?
なんて言ってしまったのはここだけの話し)
KEENは全て自社生産できる素材しか使わない
良いことだけど制約も多いから少々大変でした
(本当はBOAシステムにしたかったりww)
ソールの色も指定させてもらっています。
シューレースもね。
ロゴを入れるか迷ったけど
あえて入れていません。
ロゴだらけになるのはちょっとね、、
サンプルで上がった靴をみてびっくり
僕ら以上にKEENの方々がびっくり?
今までのターギーとは似て非なる物
素材と色を変えるだけでここまで印象が変わるとは!
当初メンズサイズのみの展開予定でした
(ロットが数千足なので)
この靴をみた本国がコレ良いからウイメンズもやろうぜ!
そんなノリかどうか知りませんが
好評なのは間違いない!
追加でレディースの展開もできることになりました!
企画の方がその情報をすごく嬉しそうに連絡してきてくれた事に
僕も嬉しくなりました。
数あるコラボの中の一つではなく
ちゃんと扱われいることが実感できましたww
(疑り深くて、、)
僕らのお客さんは男性、女性の比率がほぼ同じなので
女性にも履いてもらいたかったのです。
男性サイズに少し小さいの入れられませんか?
なんて事もお願いしてみたり、、
僕らなら出来そうな事も
ちゃんとした企業ですからルールがしっかりしています
(当たり前ですね)
取り扱いは僕らの既存店舗はもちろん
それにKEENの取り扱い店舗も含めると
今までの僕らからは考えられない程の店舗数!
これがブランドイメージにそぐわないのではないか?
KEENの方が気を遣ってくれましたが
僕らとしては沢山の人に履いてもらいたいから気にしません!
限定品の様に勿体ぶるのではなく
みんなが手に取りやすい様にしたかったし。
僕らのことを知らない方にも知ってもらいたい。
それもコラボレーションの醍醐味!
色々とここまで長くなりましたが。
ただ単に色と素材を変えたコラボではなく
みなさんにおすすめできる靴だから
僕が履いて本当に良いと思えた靴だから
(実際この三年無雪期はほ96%ターギーⅡ)
それをわかってもらいたかったのです。
どうですか?
なんでKEENなのか分かってもらえましたよね?
最後にカメラマンの大林さんにPR動画を専用で撮影してもらいました
とても素敵な内容ですので是非!
by mountainneberland
| 2023-09-15 15:28
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